以前の記事でも書いた通り、レジスタンス・アヴァロンがお気に入りだ。
上の記事では、アヴァロンにある種のリアリティを再現しようと、クエストフェーズで騎士が殺害されるルールを設けた。
聖杯探索に出発した騎士の中に裏切り者がいればそこに命のやり取りが発生するというものだ。
さて、このクエストフェーズにさらに別の趣きを施した遊びを、先日7名の友人に参加していただき敢行した。
その名も……
レジ試胆ス・おばロン
レジスタンス・アヴァロン×肝試し
メンバー編成フェーズで選ばれたメンバーが、クエストフェーズで実際に肝試しを行うというものだ。
どのような展開を経て、どう結末したかを書いていく。
メンバーは次の8人だ。
- らい
- 人狼大好き。今回の企画を共同で準備した。
- ショウダイ
- アヴァロン好きですぐに誘いに乗ってくれた。ギリギリまで普通のアヴァロンをやると思っていた。
- ナギちゃん
- 怖いのが苦手だが、アヴァロンがやりたいので泣く泣く参加。
- やまこう
- 特別な存在。9月29日のノーデンヴォルフvol.6にも出演。
- せっちゃん
- ボドゲ仲間。アヴァロンもよく付き合ってくれる。怖がり要素は0。
- 中井さん
- アヴァロン経験がなく、当日インストで参加。自作の人狼カードの販売も行う人狼好きのイラストレーター。
- リューさん
- 人狼好きのマイペースガール。同じくアヴァロン未経験で参加。
- ベンノスケ
- 自分。実は怖いのは得意ではない。
クエストフェーズが肝試しに変化するのは上に書いた通り。出発するメンバーはLINE通話をスピーカーで繋ぎ、中間地点に設置した鈴の音を待機するメンバーに聞かせて、折り返し戻ってくる。
この間、誰かが声を発することがあると「クエスト失敗」となるルールだ。
正義陣営を引いた怖がり陣営は何があっても声を出さないように、悪陣営を引いた怖がらせ陣営は誰かに声を出させることでミッションを達成できる。もちろん自分で出してもいい。
第一クエスト
やまこうがリーダーとなってスタートした。
議論時間は5分。5分経過で消灯されるLEDライトをゲームボード横に設置した。
正義陣営5人、悪陣営3人。やまこうから数えてリーダーになるのが一番遠いベンノスケ、次に遠いせっちゃんが指名される。
最初のクエストなので特に議論もないまま、全員承認の結果3人が出発。
道中、やまこうのアクションがなんだか大き目な様子に、嫌な予感がして唇をきつく締めるせっちゃんとベンノスケ。
なんとか折り返したものの、やまこうのアクションがどんどん大げさに。立ち止まったり走り出したりともはや狂人の域。明らかに声を出させようとしている。
しかし、終盤声を出させることが困難と判断したのか、やまこうは驚きの行動にでる。またしても立ち止まったかと思うと、大きく口を開き叫んだのだ!
おっぱい!!
と!
この時点でクエストは失敗、やまこうは悪。とかそんなことよりも、せっちゃんもベンノスケも笑いをこらえるので精一杯。
必死に口を押えて他メンバーが待つエリアまで駆け抜けた。
クエスト結果:失敗
第二クエスト
リーダーが中井さんに移り議論開始。
議題となったのは声の主。LINE通話越しの絶叫は「男性の声っぽい」という情報しか拾うことができず、やまこうの捨て身の作戦は功を奏した形になる。
なによりも「おっぱい!!」が「おわっ! 怖い!」と聞こえてたらしく、やまこうも「おっぱいなんて言っておらず二人に嵌められている」と主張。不思議とゲームが成り立っていた。そんなことある?
メンバーは中井さん、リューさん、ショウダイ、らいちゃんの4人に。リーダーから順にまだ出発していない4人、かつ、リアル怖がりの中井さんとナギちゃんを両方連れて行くのはリスク(=悪陣営がいなくてもクエストに失敗する可能性がある)だろうという判断。
第一クエストの3人の内訳が悪1人だった場合は、5人のうち2人の悪が入ることになるため、せっちゃんとベンノスケが拒否するも、過半数を超えた承認で決定。声を出した時点で……というシステム上、悪が複数入るのは悪にとって有利な展開だった。
しかし、全員が声を発することなく帰還。
クエスト結果:成功
第三クエスト
リーダーはリューさん。
せっちゃんやベンノスケの目線ではさっきの成功も怪しいが、今回のクエストも危ぶまれる。
やはり悪陣営が2人選出される可能性が高いからだ。
誰を選ぶべきか皆悩んでしまい膠着する中、ここでやまこうが「自分がパーシヴァルである」とカミングアウト。
やまこうが正義なわけがないと思うベンノスケは慌てて対抗を出したがるが、動きなし。
対抗が出ないならやまこうを信じるという中井さんとナギちゃん。くそっ、おっぱいさえはっきり届いていれば……!
マーリンを絞り込まれる恐れはあったが、やまこうを正義置きして議論する必要が出てきてしまう困難さの方がリスクと考え、らいちゃんが対抗をカミングアウト。
らいちゃんがパーシヴァル、やまこうがおっぱーシヴァルという意見で全体が何となくまとまり議論再開。
結果メンバーはリューさん、ショウダイ、ナギちゃん、せっちゃん。
第三クエストもまた、誰も声を出さず。
クエスト結果:成功
第四クエスト
リーダーはショウダイ。
ここでせっちゃんから、第二、第三クエストは時間切れで進んだこともあり、議論が尽くされていなければ却下して再度議論をしようと提案。皆これを飲む形。
なお、本来のアヴァロンではここで2枚の任務失敗カードが必要だが、今回は1人が声をあげた時点で失敗というルールにした。
そしてナギちゃんがショウダイを悪だと言い張り始める。言い分はこうだ。
- ナギちゃんの言い分
- 手を引いたり手首の髪留めゴムを引っ張ったり、声を出させようとしてきた!
- ショウダイの言い分
- 一人で後ろを歩きすぎてマイクから遠くにいすぎた。ゲームが成立しない。
- せっちゃんの言い分
- ただの痴話げんかだった。
さらに、
「ショウダイは虫が顔に寄ってきたときに振り払ったが声を必死に我慢していたから信用する。」という意見の中井さん。
「ナギちゃんを明らかに脅かそうとしていたショウダイを庇う中井さんは怪しい。」と疑い始めるベンノスケ。
「だからおれは“おっぱい”なんて言っていない。」と言うやまこう。
事態はいい具合に混沌としてきた。
ショウダイリーダーの選出は却下が多数で流れ、らいちゃんがリーダーに。
らいちゃんは女子は信用できると主張し、中井さん、リューさん、らいちゃん、ナギちゃん、せっちゃんの5人を選出。
しかし、中井さんが選ばれているという理由で却下を出すベンノスケ含め、これも承認ならず。
ナギちゃんリーダーでやはり女子5人を選出も、ベンノスケを正義と信じるナギちゃんの「これで声を出した人とベンノスケを入れ替えればよい。」という意見でこれは承認され決定。女子5人で肝試しに出発することに。
しかし、……ここで2つの事件が起きてしまう。
- 第一の事件
- 5人が帰還したとき、そこにはだれもいなかった……。スマホ越しに待っているはずのショウダイも、やまこうも、ベンノスケも、姿を消していた。……そう、少し離れて樹の裏に隠れていたのだ……。
誰もいないことに狼狽する女子5人。何分待っても誰も戻ってこない。それもそのはず。ショウダイも、やまこうも、ベンノスケも、いつ出ていってよいかわからなかったからだ……。オチの打ち合わせをしていなかった3人は、数分悩み、そして各々残りの2人にオチを託すことにして待つのだった。(やまこうが飛び出してくれました。) - 第二の事件
- なんとクエスト中にリューさんが躓き転倒、膝を地面に強打してしまった。しかもそれを隠れていたショウダイ、やまこう、ベンノスケは聞いていなかったので驚いた!
この時の「痛い」や心配した中井さんの「大丈夫!?」は失敗になるかどうかの質疑応答があり、結果は「失敗となる」ことに。転倒の演技で声を出すことも想定していたためだ。
クエスト結果:失敗
第五クエスト
リーダーはせっちゃんに移り、前回のナギちゃんの提案通り声を出したリューさんとベンノスケを入れ替える提案。
しかしこの選出は却下される。却下を出したのは出発しないやまこう、ショウダイ、リューさん、そしてベンノスケ。
ベンノスケは中井さんを黒と読んでいたので、どうしても踏み切れずにいたのだ。
また、ショウダイかベンノスケかで揺れるせっちゃん。それに対し中井さんが「ベンノスケが悪だったら、自分が選ばれているのに却下を出す必要はないのでは?」という意見をだし、これをもってベンノスケも中井さんを正義と信じる決心をした。
ベンノスケリーダーの下、先と同じ5人を選び、過半数を超える承認の結果、クエストに出発!
さて、この5人の中に一人でも悪の陣営が混ざっていればスタート直後に声をあげてしまえばよい。
だが、だれも声をあげないまま折り返しを過ぎ、ゴールに近づき、まだ誰も声を発しない。
うず……。
この企画を立てたときから誰かを脅かしたくて仕方のなかったベンノスケ。
今回は正義陣営を引いたため、驚かされる立場のベンノスケ。
うずうず……。
横には周囲全てを警戒し子犬のような目をして恐怖で鼻息荒いナギちゃん。
誰も脅かさないの……? だったら自分が脅かしても……?
そのとき、突然スマホから
ぶふっ! ぶはー! ふが! ふんが! ふごふご!
と、激しい鼻息が鳴り響いた!
置いていかれた悪陣営3人の悪ふざけだった。
クエスト結果:成功
決着
無事3回のクエストに成功した正義陣営。
邪悪陣営は第5クエストの間に議論を済ませており、マーリンと思う者を決定済み。
結果、見事マーリン(せっちゃん)を当て、悪陣営の逆転勝ちとなった。
ちなみに先のリューさんの転倒は自分で声を出すためのフェイク。ただし痛みは本物。ナイスガッツだ。
やまこう | モルガナ | 中井さん | アーサーの忠実な家来 |
---|---|---|---|
リューさん | モードレッド | ショウダイ | 暗殺者 |
らいちゃん | パーシヴァル | ナギちゃん | アーサーの忠実な家来 |
せっちゃん | マーリン | ベンノスケ | アーサーの忠実な家来 |
まとめ
声を我慢するという意識を持った者を脅かして声を出させるという難しさなどもあったが、議論の中に「前を歩いているから怪しくない・後ろにいるから怪しい」などが取り入れられたのはまさに狙っていたリアルなクエストのイメージと重なり面白かった。
人数や失敗のルールなど調整できそうな点はまだあるが、概ね楽しい企画としてまとまったかと思う。
次はもっと怖い場所でやりたいなどの感想もあったりしたので、この記事の反響次第では年に一度の開催もあるかもしれない。
最後に今回のゲームの詳細をまとめて閉めとする。
プレイ人数 | 8人 |
---|---|
正義陣営人数 | 5人 |
能力持ちキャラクター | 3人 |
議論回数 | 8回 |
クエスト出発回数 | 5回 |
任務成功回数 | 3回 |
ベンノスケの虫に刺された箇所 | 8箇所 |
結論:夏の夜に外で遊ぶなら虫除けを用意しろ。