デザインとは課題解決のためのプロセス

デザイナーに求められる成果とデザイナーが果たすべき仕事にはギャップがある。
スペシャリストへのクライアントの理解と立場の捻じれが生み出すものなので、当然このギャップの話はデザインに限ったものではなく凡ゆる業種に存在するだろう。
今回は自分が実はWEBデザイナーだという衝撃の事実のお知らせと共に、自分自身がデザイナーとして生み出す成果はこのようにあるべきというポリシーの話だ。

クライアントとスペシャリストの関係性

依頼者より制作者の方が専門家である。当たり前の話だ。ここに疑問を持つ者はいないだろう。

クライアントは何らかの理由で商品を自分で用意せず、スペシャリストに発注をすることになる。
商品用意の対価としてコストが発生する。

さて、このコストに拠る部分は問題が発生しやすい。
「知り合いにタダで絵を描いてほしいと言われた」というような話をソーシャル上でよく見かけるようになった。
なぜこのような事が発生するのか。それは偏にクライアントが設定しているゴールが「コストをかけずに商品を得る」だからだ。
この場合、依頼を受けるスペシャリストは「収益の無い仕事を受けるメリットがある」か「メリットではない仕事を受ける人物」である必要がある。
そもそもそのような状況にあるスペシャリストは特殊なはずで、上記のようなクライアントは大概の場合スペシャリストとマッチングできない。

さて、対価などの諸条件が健康的にまとまったとする。
後はクライアントはスペシャリストに発注をかけ、スペシャリストは発注通りの商品を用意することになる。

これを疑問に感じる人はどれくらいいるだろうか。
疑問に感じてほしいと切に願う。

なぜならば「依頼者より制作者の方が専門家である。」からだ。

その発注には、スペシャリストの意見は介在しただろうか。
クライアントのものが思い描くものが最も素晴らしいものだろうか。
「依頼者より制作者の方が専門家である。」ことを考慮すれば、ゴールは二者の間で協議されるべきだ。

クライアントの求める商品にはその商品が達成するべき目標があるはずだ。
「売上を最大化したい。」、「見ているだけで癒されるものにしたい。」、「意欲的で話題になるものにしたい。」
これの達成により力を発揮できるのは、クライアントとスペシャリストのどちらであるかは明白である。

ただしここでもう一つ、重大な問題が発生することが多い。
それはクライアントとスペシャリストの上下関係だ。
どちらの立場が上か? という問いに対して、クライアントが上だという回答を持つ者は多いだろう。
本質的にはそれ自体が問題というわけではないが、よりゴールに向けてアプローチを出来る者が弱い立場=権限を持たないという事態、それは果たして達成するべき目標にまっすぐ進んでいるだろうか。

クライアントが思い描いた商品をとにかく用意させ、デザイナーが忠実にそれを用意したとしても、その商品がもたらす効果まで思い描いた通りになるとは限らない。
スペシャリストはその思い描いた効果達成のために、クライアントが持たない知見を持っているものだ。それを使ってもいないのにコストと時間をかけているのは、なかなかに馬鹿馬鹿しい。

こと自分に関しても、現在の業務上はクライアントであることが多い。チーム内でも何人かのプロジェクトリーダーを統括する立場にある。
しかし、自分がトップダウンでなにかを進めることはあまりない。
なぜなら、それぞれのプロジェクトについては、自分よりもベンダーやプロジェクトリーダーの方がスペシャリストだからだ。
ベンダーマネジメントと上下関係を作ることは必ずしも紐づかない。

また、ブログで紹介しているいくつかのイベントや後述する制作請負のように、受注する立場になることもある。
この場合でも、クライアントとの間に上下関係を明記した契約が結ばれない限りは、どちらが上だということはないと考えている。
なぜなら、クライアントの思い描く結果に対してコミットメントするためにはスペシャリストのスキルが必要で、それを申し分なく振るえる環境が必要だからだ。

つまり、デザインとは設定されたゴールまでのプロセスなのである。
デザインとは設計だ。

こにょっと。のホームページデザイン

札幌のボードゲームカフェこにょっと。のホームページを製作した。
キックオフからサイトマップ・ワイヤーフレームの段階では外観について意見を述べることもあったが、基本的にすべての外観デザインはきのとが店の雰囲気や店長の好みを汲み取って組み立ててくれた。

ゴールが「ホームページで解決できる問い合わせはホームページで受け持つ」だったため、プロセスとして「トップページによくある質問やシステムを掲載」している。
大きな写真や画像を多く用いて店舗の雰囲気を伝わりやすくしているのもそのためだ。

見出しが画像なのも、店舗のイメージを伝えることにフォーカスしたためで、ゴールとして設定されていないSEOは意識されていない。

並走中で使用したロゴはただ一人のためにデザインされた

並走中を企画する中で、共同主催のくぅちゃんとの間には当初温度感に差があることを感じていた。
それを解消し互いをリスペクトしなければスムーズに事を進めることは難しい。
課題、つまり現実とのギャップを解決する必要があった。

さて、温度差を解消するという課題に対してどのようなプロセスでそのゴールにたどり着いたかというと、並走中のテーマとなっていた「怪盗くぅ」のロゴをデザインすることにした。
これは実際ゲームを行う中では不必要なものではあるが、用意することでこのテーマに対しての真剣さを見せられると考えた。

くぅちゃんの好物カボチャでデザインされた、怪盗らしさとハロウィン(化ける)イメージを持ったロゴ。蔓のサインは名前とハートを表現しており泥棒のマイナスイメージを親しみやすさで中和させた。

結果としては、意味があったと感じられる変化はあった。以前と比較して、反対意見を述べても前向きに捉えてもらえるようになった。足並みが揃ったことが理解できたからだ。

ベンノスキームのロゴ鋭意制作中

あるDTPデザイナーにロゴデザインを依頼している。

要件は事細かに伝えたが、それにコミットメントするまでの設計はスペシャリストが腕を振るってくれる。
完成後はこのブログとTwitterで発表するので楽しみにしていてほしい。