レジスタンス・アヴァロンにあえて脱落するルールを追加する

自分の中でもベストヒットゲームの一つである「レジスタンス・アヴァロン」を、普通に遊ぶには飽き足らずヴァリアントルールを考えた。
この記事はそのオリジナルヴァリアントルールの備忘録として執筆する。

レジスタンス・アヴァロンに脱落はない

アヴァロンを説明するには2つのことを伝えるとよいと思う。
一つは、ゲームメカニクス。
アヴァロンは正体隠匿に分類される、俗にいう人狼系ゲームだ。

もう一つは、モチーフ。
アーサー王物語の円卓の騎士がモチーフだ。プレイヤーはアーサー王率いる正義の陣営か、モードレッドに与する悪の陣営として議論を戦わせることになる。

さて、人狼系ゲームの大きな特徴の一つは、ゲームの進行につれて脱落者を選びゲームから除外すること。また、被襲撃者を選び同じくゲームから除外すること。
人狼から派生した様々な正体隠匿ゲームにもこのルールが継承されている。

アヴァロンは全くの逆で、ゲームから除外されることのない正体隠匿ゲームだ。
隠匿系は好きだがゲームを途中で抜けるのは良しとしない。という人にはお勧めしたい。

だが、今回はそのアヴァロンで、あえて途中で脱落するルールを設けようとしたのが事の始まりだ。
なんて天邪鬼な人間なんだろうと思った人は、もう少し続きを読んでほしい。脱落を組み込むに至った理由がしっかりとあるからだ。

死ぬアヴァロン・ヴァリアントルール

このヴァリアントルールでプレイするアヴァロンを通称「死ぬアヴァロン」と呼んでいる。
まずはルールを紹介したい。変更と追加があるのは次のフェーズだ。

クエストフェーズ
議論によって正義陣営を信じられ、あるいは情報を探るため、チーム編成されたメンバーがクエストカードを使いクエスト結果を決定する。
このとき、悪の陣営が任務失敗のクエストカードを提出した場合、新たなチェックが行われる。
それが「騎士の暗殺チェック」だ。

騎士の暗殺チェック
クエストカードをオープンした際に任務失敗の結果が提出されていた場合、プレイヤー全員は目を閉じる。クエストに出発した邪悪陣営だけが目を開き、クエストに出発したメンバーのうち一人を選択して、そのプレイヤーの前に任務失敗カードを置く。任務失敗カードが置かれていた騎士は暗殺される。次にマーリンチェックを行う。
マーリンチェック
暗殺されたプレイヤーは、自身がマーリンのキャラクターカードを持つ場合、敗北を宣言する。そうでない場合、以降英霊としてゲームに参加する。英霊になったプレイヤーは次のことができなくなる。

  • リーダートークンを受け取る
  • チーム投票を行う
チーム編成フェーズ
英霊となったプレイヤーがいる場合、編成する人数を英霊の人数分マイナスする。
リーダーがチーム投票を宣言した場合、英霊となったプレイヤーはチーム投票には参加せず、次のアクションを選択する。選択は投票トークンで行い、開示は全プレイヤーの投票トークン開示と同じタイミングで行う。英霊のトークンを除いて、承認が過半数を超えた場合、英霊のトークンを確認して次のアクションを決定する。
承認のトークンを提出していた場合、チーム編成に選ばれたメンバー一人の出撃を中止する。
却下のトークンを提出していた場合、クエスト解決時に湖の乙女と忠誠のカードをプレイする。このときプレイした湖の乙女と忠誠のカードは、クエストフェーズ終了時に破棄する。

変化するフェーズはこの2つのみだ。死ぬアヴァロンといっても、途中で脱落するわけではなく、死者としての役割を持つことになる。
また、最後に最も大きな変化としてゲーム終了時の「マーリンの暗殺」をスキップする。

悪の陣営は、クエストフェーズで大幅なアドバンテージを受ける。
正体を絞り込まれやすくなるというリスクと引き換えに、即座にゲームに勝利する手段を得るのだ。
また、自害や他の邪悪陣営を暗殺することを制限されていないので、ブラフとしても利用できる。

正義の陣営は、一見非常に不利になる。マーリンの編成に大幅なリスクを伴い、チーム投票の承認も難しくなる。
しかし、英霊となった正義陣営のアクションは非常に強力だ。また、暗殺を受けなくなるマーリンは、より思い切った行動が取れる可能性がある。それは同時に、マーリンを装うモルガナの活性化も考えられる。

つまり、このヴァリアントルールは両陣営にピーキーな調整を加えたものとなっている。

なぜ死に、なぜ脱落しないのか

アヴァロンは聖杯伝説をモチーフとしており、正義陣営の勝利=聖杯の発見である。
裏を返せば、モードレッドの悪の陣営は聖杯を見つけさせないことがミッションとなっている。

「血気盛んな猛者でありながら最も卑劣な裏切り者」として描かれたモードレッドが、小賢しく聖杯探索隊をミスリードして5回のクエストをやり過ごす、というのも、なんだかかわいらしすぎるなと思ったのだ。
剣の錆を血で拭うような戦いを繰り広げ、不運な巡り合わせと血みどろの戦いの果て、最後に立っているのは誰なのだ。という、アーサー王の死然とした展開を生み出したいがために「死ぬ」という要素を組み込んだ。

しかしこのルールは、脱落の有無を考えて、脱落はしないことで決着した。
なぜなら、最後まで遊べるというのがアヴァロンの面白さの一つであり、それは自分の好みとも合致しているからだ。
とはいえルール自体はまだまだテストの途中。
面白そうと思ったらプレイしてみて、発見があればぜひ教えて欲しい。
その発見の中に、脱落することのおもしろさがあったとしたのならそれはそれでよい。