クトゥルフTRPG-公開シナリオ|絶対に出会ってはいけない神話生物 20SAN値

このシナリオは2016年の歳晩に、あるダジャレを思いついた事を発端にして執筆した。
大晦日を友人宅で過ごそうと自分を含め6人が集まる予定があり、全員がクトゥルフ神話TRPG経験者であったため、突貫で用意したものだ。
あとは、シナリオ名と時期から察してみてほしい。

年代 形式 プレイヤー人数 セッションタイム
現代日本 クローズド 2~5人 3~5時間

笑い納めにと考えていたため、シナリオ名がすでに出落ち気味。
だが、「年末大放出」をコンセプトに作成したため、神話生物や技能チェック、呪文の使用に至るまでプレイヤー体験を多く詰め込んでいる。推奨技能が「クトゥルフ神話」なのもその一つで、行く年にやり残しが無いようにしたかったのだ。実際に退屈しないシナリオになったと思う。
下記のあらすじを読んで興味を持った人は、ぜひプレイしてみてもらいたい。

あらすじ

『宇宙旅行に行こう!』
JAXAがそんなキャッチコピーで募集した、地上での疑似宇宙旅行体験は、年齢性別問わず幅広く募集したこともあり一部では大きな話題にもなった。探索者はそれぞれの理由や思惑、興味でそれに申し込み、そして当選の結果JAXAのゲストハウスに宿泊している。擬似宇宙体験は5日間の行程で実施され、探索者はすでに3日間の行程で退屈なツアーや簡易的な訓練を終え、4日目の本日は遂に擬似宇宙体験が実施される。

シナリオ

PC作成要項
現代日本に在住する人物として自由に作成
推奨技能は「複数の言語」、「クトゥルフ神話技能」
物語の導入
『宇宙旅行に行こう!』
JAXAがそんなキャッチコピーで募集した、地上での疑似宇宙旅行体験は、年齢性別問わず幅広く募集したこともあり、一部では大きな話題にもなった。探索者はそれぞれの理由や思惑、興味でそれに申し込み、そして当選の結果、JAXAのゲストハウスに宿泊している。擬似宇宙体験は5日間の行程で実施され、探索者はすでに3日間の行程で退屈なツアーや簡易的な訓練を終え、4日目の本日は遂に擬似宇宙体験が実施される。
すでに友情を結んでいる者や、距離感を決めた者、評価を下した者、様々な思いがあると思うが、それぞれを認知していることは全員の共通点だ。

ここで自己紹介や互いの関係性を決めてしまうとよい。

探索者はブルースーツを着て、ふくよかな人の良さげなスタッフに案内され、宇宙船ニュースタンダード号を模した訓練用ポッドの中に繋がるチタン縞板の階段をカツンカツンとやかましい音を立てながら一列になって登り、大仰なシェルターの分厚い扉をくぐった。

スタッフ「ここがお前らに一晩過ごしてもらうことになる、ニュースタンダード号を模した擬似ポッドや。少しの間ここで待っていてくれるか。」

スタッフはそういうと一度ポッドを出ていき、シェルター扉が閉まった。ランプが赤く光り電子ロックされたことを示した。

知識:ニュースタンダード号は実験区画や一般居住区画などを設けたJAXAの気鋭宇宙船であることをこの3日間のツアーで学んでいる。

待機部屋
部屋の中央にはデスクと8脚のチェアがあり、デスクとチェアはすべて床に固定されている。部屋の4つの壁はそれぞれ、円形の窓が付いている面が2つ。入室したハッチのある面が1つ。扉のある面が1つある。

探索者がその場でいくら待っていても、スタッフが現れることはない。
部屋にはハッチ(入り口)と扉がひとつずつあるが、どちらも電子ロックがかかっており開けることができない。

部屋の中を探索するか、目星:次の情報を得られる。
①窓の外にはこのポッドが設置されている倉庫が見える。人影はない。
②シェルターと反対の扉の上にもランプがあり、赤く点灯している。

探索者が少しの探索を終えると、突然ビーッ! ビーッ! とけたたましいアラートが鳴り出し、部屋全体が揺れ始める。
数分間アラートと振動が続き、最後に一際大きな振動の後、機械的な音声でアナウンスが聞こえる。

『オート・シークェンス・スタート』(発射31秒前)
『Tマイナス16』(発射16秒前)
『Tマイナス10…9…8…7…』
『Tマイナス6.6』(ティー・マイナス・シックス・ポイント・シックス)

轟音が鳴り響く。

『3…2…1…0』

激しい衝撃とGとともに、ニュースタンダード号は寄り道もせずまっすぐに突き進む。

なににも掴まっていない:HP-1D3

しばらくして振動が治まると、探索者の身体はふわりと宙に浮かび上がる。初めての体験であるにも関わらず、自らに起きた事態を正確に把握できた。無重力空間にいるのだ。窓の外にも宇宙空間としか呼びようのない光景が広がっている。
無重力宇宙を体験したことで、探索者たちの脳はある種の覚醒を果たす。宇宙という無限に広大な神秘は、探索者たちに生命として正しく正しい理にいると確信させる。

一時的にクトゥルフ神話技能が79%(固定値)になる。また、SAN値は20になる。

扉を見るか、部屋に目星:扉の上のランプが緑色に点灯している。
窓の外を見る:CGなんてものではない、幻想的ながら現実味のある星々のきらめきや月の巨大さが、ここが地球の外だとはっきりと自覚させた。あまりにも綺麗だ。

1部屋目 ゴリラとライオンの部屋
ジャングルを模した部屋。一頭のゴリラとライオンがいる。また、黄金の蜂蜜酒がある。黄金の蜂蜜酒は、終盤、誤って宇宙空間に飛び出した際に命を繋ぐ助けとなる。
この部屋はスルーして先に進むことができる。

扉を開けた瞬間にむわりとした熱気と醜悪な獣臭さが探索者の脳に届くだろう。そしてその先がジャングルのように巨大な草木の生い茂った部屋だということが見て取れる。部屋の中央に鉄格子があり、その格子は牢となって部屋を左右に分断している。格子の向こう側には一頭ずつのゴリラとライオンがいる。そして、その奥には金色のゴブレットが燦然と目立っているのが見える。格子のこちら側には、右手の壁に一枚の扉が見える。

檻の格子には入口らしき場所はなく、また二枚の札がかかっている。
札を調べるとそれは名札で、ゴリラの名前は「ゴリオス」、ライオンの名前は「らい」であることがわかる。

らいは寝静まっているが、ゴリオスは活発で、鉄格子に近づき揺らしたり、探索者に興味を示したりする。鉄格子に気が付かない探索者に対し、鉄格子になにかあることを示唆する場合もある。

鉄格子をもっとよく調べるか、目星:「動物に命令する」呪文が刻まれていることに気がつく。

動物に命令する呪文は1つだけで、どちらの動物に対応するものかはKPが自由に決めるか、探索者に決めさせてもよい。反対側の格子には「動物の足を不自由にする呪文」が刻まれており、使用できる。
動物に命令して金色のゴブレットを取りに行かせようとした場合、もう1頭の動物が襲いかかってくる。KPは探索者に操っている動物の技能で戦闘させる。操った動物が勝利し、かつまだ動くことができるのであれば、改めてゴブレットを運ばせることができるだろう。
ゴブレットの中は黄金の液体で満たされている。それを服用する場合、探索者たち全員が服用できるだけの量がある。

クトゥルフ神話技能:液体が黄金の蜂蜜酒であることがわかり、その効能を知れる。

2部屋目 深きものの部屋
深きものが潜む部屋。1部屋目同様ジャングルのような内装で、流れの激しい川と緩やかな流れの川がある。どちらも部屋の中央の泉に流れ込んでいる。二つの川と泉は部屋を分断しており、奥に見える次の扉へは川を渡らなければたどり着けない。

扉を開けた瞬間、清々しい風が吹き込んだ。風景にさほど変わりはなかったが、踏み入れずとも部屋の中心にある泉とそこに流れ込む二つの川が見て取れ、今までいた熱気蒸す部屋よりも数段快適な空気を生み出していることがわかった。
泉は美しく水面は静かである。泉に流れ込むふたつの川は対照的で、右手の川は低く大きい。流れは緩やかで対岸までは20メートルほどだ。左手の川は細いところで対岸まで2メートルほどしかないが、流れが急で崖に囲まれている。部屋全体は先ほどと同じくジャングルのような草木が生い茂っている。

目星:地面の草はよく見ると数多に踏みしめられており、それは人の足よりもひと回り大きく感じた。たどると、泉に出入りしている様子が見て取れる。
クトゥルフ神話技能:それがディープワンの足跡だとわかる。

流れの激しい川を跳躍:対岸へと渡れる。/川に落ち瞬く間に泉へ流される。
流れの激しい川の周囲を調べるか、目星:木に伝うツタを見つけることができる。
ツタをターザンロープに使うことで跳躍に+20%の補正が加わる。

流れの緩やかな川を水泳:対岸まで泳げる/崩れた姿勢では抗えない水流の圧倒的質量に泉へと流される。
流れの緩やかな川の辺りを見渡すか、目星:朽ちた木の幹(丸太)が見つかる。
丸太を浮きにすることで水泳に+20%の補正が加わる。

泉に流れ着いてしまった場合、泉の底には深きものがいる。激しく流された場合は水底の深きものを目撃してしまうし、泉の底を覗かなくとも深きものは探索者に気がつき浮上してくるだろう。その場合、戦闘して倒さなければ先に進むことは難しい。

それは全体的に灰色がかった緑色だったが、腹部だけは白かった。皮膚は光ってツルツルした感じだが、背骨の隆起している部分は鱗に覆われていた。全体的な形はなんとなく人間に似ていたが、頭部は魚だった。目が飛び出していて、探索者たちをまばたきしない大きな目でギョロと見つめている。その顔はなんの感情も伝えないが、うなるようなしわがれ声は探索者たちへの害意を十分に伝えた。

SAN:0/-1D6

3部屋目 情報の部屋
壁にはありとあらゆる言語や文様が描かれている。ここにはニュースタンダード号の真実や魔術的な研究、神話生物について無数の情報が記されている。ここで正しく情報を集めることができれば最後の部屋で脱出できる道を導き出すことができるだろう。

一転して、人工的な部屋であった。部屋自体は薄暗い殺風景な作りで、対面の扉とその上のランプの他には、少しばかりの棚と冊子のようなものが見える。また様々な模様線が部屋中の壁を満たしていた。そして、この部屋に入った瞬間から、頭痛のような、しかし頭痛とは違うチクチクと神経に触る嫌な感じがする。

探索者はこの部屋に長く留まることはできない。探索者全員で4回以上の探索を行う場合、頭痛は命を蝕むような激しさをみせる。0/-1D3のSANチェックが発生する。必要な情報を集め終わってなお探索を行おうとしたり、発狂しつつなお挑戦し続ける探索者がいる場合は、技能値にマイナス補正をかけて先を促したほうがよい。

部屋の様子をよく見るか、目星:壁じゅうに書かれた模様線には、いくつかの歴とした言語があった。それはアルファベットで書かれている。言語以外にも意図があって書かれたような図形があることがわかる。
壁に走り書きされた言語を見たならば、それが英語であることがわかる。文章量は多いが、簡単な英文がツラツラと並べられているだけで、ある程度の教養があれば読めそうなものである。
英語、あるいは知識:門の創造について書かれている。
この呪文は使うものを別の場所、別の次元、別の世界へ移動させる呪文である。1つの門は、別の場所にある1つだけの場所に通じている。門を創造するにはPOWを永久的に消費しなければならない。消費する値は、門が通じている場所までの距離をマイルで表した値を、10を底数とした対数に変換したものと同じ値である。門の形態には様々あるが、床にペンキで模様を描いたものや、石を規則的に並べたもの、アルコールで扉を描いたものなどである。門を非活性にして、目をくらます事もできる。その場合は門のあるべき場所に触れ、門を創造した際に消費した値と同じマジックポイントを消費する事で再び活性化させられる。門を使うためには、門を創造するために使ったPOWと同じ値のマジックポイントを消費しなければならない。門を通って行う旅行1回につき1の正気度を喪失する。この呪文の習得には1D10週間の時間がかかるだろう。

棚を調べる:ひとつの冊子と二枚の羊皮紙がある。羊皮紙は古びたものと比較的新しいものがある。
古びた羊皮紙に書かれている文字は、アルファベットである。
冊子を見ると日本語のようだ。宇宙に関する特集のようだが、かなり雑に扱われていたのかほとんどのページが虫食いだ。
綺麗な羊皮紙には見たこともない言語が書かれている。
古びた羊皮紙に対し知識:それがラテン語だとわかる。
古びた羊皮紙に対しラテン語:古い記録である。
我々ダゴン秘密教団がアメリカ政府に壊滅に追いやられたのも、皮肉なことだが幸運だったと言える。こうしてNASAに入り込み、秘密裏に宇宙空間に拠点を用意できなければ、力を失った地上での我々が奥のあれを抑えつけておくことは不可能だったであろう。ここでの研究にて完全に支配下に置くことに成功した。しかし、炎の海の中、軍隊とあの奇怪な嘲るのような「テケリ・リ、テケリ・リ」という鳴き声が迫る地獄に、我ら教団の未来では二度と遭遇してはいけない。

冊子に対し日本語:地球から月や他の惑星までの距離を知られる。
月:370,000km
水星:220,000,000km
金星:260,000,000km
土星:1,600,000,000km
冥王星:7,400,000,000km
他は虫食いが酷く読めない。
知識:100マイルは160kmだとわかる。

綺麗な羊皮紙に対しクトゥルフ神話技能:それには、奇妙な、まるで楔形文字のような言語で何かが走り書きされている。
宇宙の偶然の因果か、生命力を喰うものと接触した。私の研究隊はそれの効率的な攻撃ですぐさま壊滅した。あのキラキラと輝く無定形を認識した時点では遅かったのだ。オゾンの気配を感じたものが現れた段階で撤退を指示しなくてはいけなかった。悔やみきれぬ。奴をどうしようというわけではないが、奴への道は用意した。仲間を失った怨恨か、研究者としての性かは、私にも解は出せない。
読めてしまった探索者はそのおぞましい自分の知識に正気を疑う。
SAN:0/-1

壁に対して模様線に対し芸術絵画やそれに似たグラフィカルな技能:模様線の中に、意図的に書かれた図形が見て取れた。白い塗料で描かれた記号が書かれている。
記号は3つのYの字から成っており、Yの頂点同士が触れ合うような形で三角形を描いている。その三角形の中心にはじっと見つめているような目が書き込まれている。探索者が記号のそばに寄ってみると、額のあたりにチクチクするような感じが一層増した気がする。

アイディアまたは部屋のその他を探索する:部屋の隅に、走り書きのような手書きの文字が書かれている。
ここには娯楽がない。一人になった今その必要性を理解した。魔術用のアルコールなど嗜みにもならない。揮発も早く、そうしてしまえば匂いも残らず情緒もない。掃除に使う方がよほど趣味的に思える。

4部屋目 ショゴスの部屋
ショゴスの潜む暗闇の部屋。
7×7マスの部屋で、1マスのサイズは20㎡ほどの広さ。探索者が1マス進むごとにショゴスも移動し、同じマスに到達すると暗闇の中でもショゴスの姿がハッキリと見える。

一瞬行き止まりのように思えたそこは、漆のような闇に満ち満ちていた。遠く遠く正面に緑色のランプが見え、それがかろうじて扉の位置を教えていた。一瞬、何かに遮られたかのようにランプが見えなくなるも、その後いくら観察してもランプは開錠を示す緑の明かりで途切れることなく光っていた。

聞き耳:かすかに「ケ……リ……」と聞こえる。

闇を何かの明かりで照らした場合、ショゴスを見てしまうのでSANチェック。
戦闘ラウンド扱いで、探索者(全員同時)とショゴスが交互に行動する。
毎ラウンドごとにショゴスはシークレットダイスで1D4を振り、1=北、2=東、3=南、4=西に移動する。ショゴスが探索者の2マス以内の位置にいる時に聞き耳に成功すると何かがずりずりと這う音が聞こえる。1マス以内の位置にいる時に聞き耳に成功すると「テケリ・リ」と聞こえる。部屋は非常に広く、探索者は1ラウンドに1マスしか移動できない。

5部屋目 出口の部屋
入ってきた扉以外には何もない部屋である。しかし、全ての壁にひとつずつ門の創造により扉が作られており、非活性状態で隠れている。ひとつは地球、ひとつは宇宙空間、ひとつは暗黒の部屋に繋がっている。

強いて言うならば、模様線の部屋に似ていた。しかし、殺風景さはさらに強まり、ここにあるのは壁と入り口、そして小さな窓くらいのものだ。

壁に対して目星:壁の一部が拭き取られたように綺麗になっている。

門を活性化させるには、門の移動に必要なMPと同じ点数のMPを消費する。これは全員で分担することができるが、消費MPが判明するのは活性化後である。

左面の扉を活性化する:全員でMP5を支払い活性化させられる。門を通る場合、各探索者はMPを5消費する。
[エンディング1へ]

正面の扉を活性化する:全員でMP1を支払い活性化させられる。
この扉を抜けた場合、宇宙空間に放り出されるため即死する。黄金の蜂蜜酒を服用していた場合は死亡せず、すぐに扉に戻ることで生還できるが、宇宙空間で別の行動を試みた場合、探索者の体はみるみる流されていき、絶対零度の空間で体をコントロールできぬまま宇宙の果てに流れていくだろう。その場合はロストとなる。帰還にも当然行きと同じMPを消費する。

門を抜けた実感と、死の実感は隣り合わせだった。寒いという表現では生ぬるい圧倒的絶対零度が皮膚を貫き血液を個体に変えた。すぐに眼球が凍りついた。次にどこが凍りついたかはわからなかった。もう何もわからなかった。[ロストエンド]

黄金の蜂蜜酒に守られている場合:門を抜けた実感と、死の実感は隣り合わせだった。寒いという表現では生ぬるい圧倒的絶対零度が皮膚を貫き血液を個体に変えた。しかし、機能を失った血液に代わり何かが体を循環する。みるみる体は体温を取り戻し、体細胞のすべてで、先ほど舌で感じた濃厚な甘さを感じた。黄金の蜂蜜酒が、生命を許さぬ空間で探索者にほんのわずかな時間の命を与えた。

右面の扉を活性化する:全員でMP6を支払い活性化させられる。門を通る場合、各探索者はMPを6消費する。
暗黒の部屋を進むと、真っ暗ながらも確かに床を踏みしめて進むことができ、少しすると目の前に一筋の光が見える。
知識:オゾンの存在を感じる。
ここで引き返さなかった。或いは門を戻るMPが無かった場合は[エンディング2へ]

エンディング
エンディング1
真っ暗闇だ。辺りにはなんの気配も感じられず、ただただ闇に支配されている。体を動かそうものなら、途端に何か重く硬いものに動きを遮られた。触れてみても手のひらで感じる温度以外には何も分からなかった。ふと、遠くの方で音がして、一筋の光が差し込んだ。カツンカツンと足音と金属音の混ざった音が聞こえた。次に、ガンと音が鳴り響き、部屋は煌々と照らされた。目の前には、見知った、人の良さそうなふくよかな男がいた。

スタッフ「あ!! おまえら! どうしてここに?! 心配したんやで。ほんま、一体何があったんや……。全員無事か?」

そして探索者たちは、混乱の渦中にいながらも、無事に保護されることになった。彼が言うには、ニュースタンダード号のポッドは、元々2号機として造られていたもので、本物同様の性能があったそうだ。それが何者かによってコントロールを奪われ、最悪なことに打ち上げまでされてしまった。JAXAは必死でニュースタンダード号を捜索したが、NASAから送られてきた情報とJAXAの情報が全くもって合致せず混乱を極めていたそうだ。探索者たちは検査や事情聴取は受けたものの、宇宙へ行ったという事実は関係者以外の誰にも知られることもなく、日常へと帰還できるだろう。しかしきっと、探索者たちの進む未来に、この不可思議な旅行は必ずしてなにか影響を及ぼすだろうことは間違いない。[グッドエンド]

エンディング2
真っ暗闇だ。足を踏み込んで感じる感触は床ではなく地面だと感じた。それ以外は、今通ってきた扉のうっすらと光る輪郭が宙に描かれているだけで、ただただ闇に支配されている。何も認識できない空間を少し歩くと、自分の呼吸器や皮膚がざわつくのを感じた。

INT×5:オゾンに包まれている感触を覚える。

この時点で引き返さなかった、あるいは扉を通ることはできず失神した場合は目覚めたあと[エンディング2-2へ]

エンディング2-2
闇の向こうに一筋の光が見えた。それは次第に見たこともないキラキラとしたスペクトルで瞬く。その光、というよりも色は、地面の上を流れるように探索者に向かって移動し、包み込むように通り過ぎる。それは気体のようであったが、触れている間は何かヌルヌルとした無定形のものに感じた。

SAN:0/-1D4

宇宙からの色とのバトル。勝たなければロストして終了。[ロストエンド]
探索者のうち一人を対象として宇宙からの色が攻撃する。探索者は吸い取られるような、焼け付くような感覚をはっきりと認識した。体がだんだんとしぼんで灰色になっていく。顔は落ちくぼみ、肌は老化してひどいヒビが入ったりシワができたりする。

あとがき

盛大に笑って新年を迎えてほしい。
そのために必要なインパクトのための宇宙であり、神話生物たちであったので、物語の背景というものは特にない。
強いて言うのであれば、宇宙にいたディープワンこそが諸々の手記の主であり、宇宙環境で実験体を確保する手段が、今回の探索者たちの軌跡なのである。