ワンナイトマンションをより濃密な夜にするちょっとしたテクニック・5選

ぎゅんぶく屋が発売しているワンナイトマンションは、正体隠匿系メカニクスのボードゲーム。

正体隠匿ゲームの中では、陣営(役職)を推察する要素が多い。

  • 2枚の役職カードから選択する
  • 選択しなかった1枚が他プレイヤーの役職選択肢になる

議論のきっかけが作りやすくなり、正体隠匿ゲーム入門にも向いている。

議論に慣れていると少し物足りない

上記の他、「議論中にカードを公開する」や「選択されなかった役職を確認する」という能力を持つ役職もあり、議論が打ち切られるまでに確定する要素がいくつかある。
確定した以上は論じる必要がなくなってしまうため、自分の周囲にいる「三度の飯より人狼が好き」というくらいの人たちは、議論の幅が狭くなり物足りなさを感じてしまうだろう。
また、プレイ人数も4~6人と人狼に比べると少ないため、これも論じる要素の減少要因だ。
さて、ではこのゲームは果たして入門向けであって隠匿ゲームに慣れ親しんだユーザーには向かないのか、というとそういうわけでもない。

ワンナイトマンション拡張アナザークリミナル

拡張キットが展開された。

先日プレイするタイミングがあったが、殺人犯サイドと爆弾魔以外でも役職を騙る必要が出てくるシーンもあり、議論の幅は広がった。
しかし、とはいえ、やはり自分の周囲の「人狼を逐う猟師山を見ず」というくらいの人たちにとっては今一歩ハマり切らないのではないかという手応えだった。
何故なら「確定した要素から正しい解答を導き出す」ことはプロセスであり、「不確定要素から考察した推論の同調者を増やす」ことにより陣営の勝利を目指すことがゴールだからだ。
正確に言えば、前者をゴールとできるのは罪のない役職の陣営(と、爆弾魔に対する殺人犯サイド)の話である。
対して、後者はゲーム参加者共通のゴールとなる。

自分たちが一番楽しかった調整

お断りとして、あくまでもこのゲームを物足りないと感じるのは自分にとっての話だ。
上述のアナザークリミナルを一緒に遊んだ人の中には、隠匿ゲームに慣れていてかつワンナイトマンションをそのまま遊んでいて楽しいと感じている様子を見てとれたし、それを否定するものでもない。
自分自身も冒頭に紹介したこのゲームの特徴は正体隠匿ゲームの要素としてとても面白いものと感じている。
それを活かしたまま、且つ数分では議論が尽くされないという条件の下で調整を加えて遊んでみた。
結果として、何度もリプレイするほどになったので紹介したいと思う。

ハウスルール:探偵は呼ばれない
①探偵は使用しない

探偵は議論中に役職を公開し、殺人犯を正しく指定できれば探偵を含む陣営の勝利になるという役職。
このゲームの特性上、最後に役職選択をするプレイヤーが「探偵」と「殺人犯」から探偵を選択した場合、だれも担当したなかった殺人犯を指名してゲーム終了となってしまい議論自体が始まらない。また、役職公開により確定要素が増える点、今までの議論を一人の意思で中断できる点は、数人で議論し合意形成を目指す正体隠匿ゲームには不要とした。

ハウスルール:執事はてんてこまい
①執事は議論中にカードを公開し、前日に帰った2枚のうち片方を自分だけで確認できる
②執事は確認したカードが「共謀者」だった場合、勝利条件が「殺人犯の勝利」に変更される

執事を引いた場合、役職公開のメリットが非常に大きく、公開しないという選択肢がほぼ無かったための調整。見ることができるカードは1枚になり、かつそれが共謀者だった場合は陣営が変わるので「見たカードを正確に教える」、「見たカードを虚偽で教える」、「能力を使用しない」という選択肢が生まれる。
特に能力を使用しない行動は、執事以外の役職者が執事を騙ることが可能となり、また公開した執事も敵味方が確定しないため、議論が盛り上がりを見せることが多かった。
最後に役職選択をするプレイヤーが「執事」と「殺人犯」から執事を選択した場合も、公開によって共謀者を見ている可能性が生まれるため、殺人犯は誰も選択しなかったという意見を疑う隙も誕生する。

ハウスルール:共謀者はいる
①共謀者は必ず使用する
②「執事はてんてこまい」を使用しない場合、共謀者は前日に帰った2枚に含まれない

共謀者が存在しない場合、殺人犯は正体を隠すという一点にフォーカスした議論展開を強いられる。共謀者が存在する場合は、犯人サイドは味方を探り出すという行動を議論の中で行う必要があるため、より注意深く他プレイヤーを観察する必要がある。
「執事はてんてこまい」を採用しない場合は殺人犯と同様に必ず誰かが担当するようにし、腹の探り合いを楽しみたい。

ハウスルール:誰かが迷子になった
①役職カードのうちランダムで2枚を事件前に屋敷を去った人物として取り除く前に、1枚を屋敷に訪れなかった人物としてゲームから除外する
②執事はこのカードを確認できない

予め使用しない役職を決定するのではなく、すべてのカードから完全にランダムで使用カードを決定する。
4~5人で遊ぶ場合はこのルールを適用し、すべての役職が登場している可能性を残すことで議論が白熱する。
5人で遊ぶ場合は、探偵を客人扱い(=無能力者)として使用することで採用可能。6人で遊ぶ場合は基本セットではカードが不足するため採用できない。

ハウスルール:屋敷には客人が多い
①客人は常に2枚以上使用する

客人を騙りやすくすることで、客人を選択する理由が強くなる。また、役職をカミングアウトするタイミングにも幅が増えることになる。
上の「誰かが迷子になった」を採用する場合は、自動的にこのルールも適用されることになる。

改めて、今回のハウスルールは「ワンナイトマンションの役職決定方法をそのままに、議論が尽くされづらくする」という点にフォーカスしたもの。
特に執事の改編が大きく、立ち振る舞いを深慮する必要が出てくる。
拡張アナザークリミナルでは、勝利条件に執事と深い関わりを持つ「怪盗」や、今回執事の能力変更の参考となった「メイド」が登場するため、拡張を使用する場合は本来のルールで遊ぶのがよいと思う。
というより、ハウスルールを採用して拡張で遊んだことはないので、どのようなバランスになっているかは机上論でしかお話しできない。

最後に、自分はこのゲームをとてもリスペクトしており、冒頭に書いた通り隠匿ゲーム入門者には強くお奨めしたい。
それに飽き足らず、隠匿ゲームに慣れたプレイヤーとも遊びたいがために、今回の調整を考えた次第である。
プレイ人数は6人までと少ないが、拡張を入れるとこれも増えることになるし、基本セットのみよりもプレイの幅が広く楽しかったので拡張アナザークリミナルも同じくお奨めしたい。

7人以上で正体隠匿ゲームを遊ぶならレジスタンス・アヴァロン、11人以上集まればお邪魔者2もお奨めだ。
13人以上集まれば人狼……?
いや、もう2卓に分けて遊んだらいいんじゃないかな。