密告中 – 3つの〇〇中を並行したので並走中

潜入中逃走中に続く、並走中三部作の最終章として、10月20日(土)に密告中を開催した。
今回は、共同主催であるくぅちゃんもプレイヤーとして参加し、合計19人のプレイヤーによる密告中となった。

三部作における怪盗くぅの一団とベンノスケ王の戦いのストーリーとその背景については、この記事の最後に掲載するので、気になる方は是非読んでほしい。
ああ、なるほどそういうことだったのね。があると思う。

なお今回のプレイヤーは、くぅ団長の裏切り後、それでも団長を信じ密かに王国に残ったメンバーという設定だ。
そのプレイヤーの前にベンノスケ王の使者が現れ、かつての仲間を見つけ出し売り渡すように言うのだ。
そうすれば団長の裏切りの真相がわかるだろうと。
プレイヤーはかつての仲間を探しだし、ベンノスケ王国コールセンターに電話をかけ、その居場所を密告しまくることになるのだった。
※なお、この記事を読まないと裏切りの真相がわからない。うっかり。

背番号のデジタル化(アナログ方式)

今回の並走中三部作の共同開催にあたって、自分がここまで企画内容に介入することになったのは、くぅちゃんから次の2つの要望があったことが理由だった。

  • 謎解き要素を増やしたい
  • 密告中にプレイヤーとして参加したい

そのため、潜入中と逃走中は過去の記事でも紹介した謎解き要素があり、また密告中はくぅちゃんが完全にプレイヤーとして参加するに至った。

さて、ところが自分はテレビでも過去の企画でも密告中を知らず、概要程度のルールのみ把握している状態だった。
とはいえそれについてはさほど問題と感じておらず、自分なりの密告中を企画すればよいという程度の認識でもあった。
潜入中の記事でもお話しした通りだからだ。

そしてやはり一番気を使ったのは、全員が最後まで楽しめることだ。
本家逃走中は、基本的に捕獲=脱落のゲームだ。
この仕組みが成り立つのは、テレビ番組というエンターテイメントの中、プレイヤーはその一端を担うエンターテイナーであり、視聴者というカスタマーが楽しめるものを提供しているという前提があるからだ。
しかし、我々の逃走中には視聴者は存在せず、プレイヤーこそがカスタマーである。
120分のゲームを5分で終了し、115分待機することに参加費を払ってもらうわけにはいかない。

つまり、密告されたプレイヤーが“脱落してはいけない”のだ。
オリジナルの密告中とは本質が異なっている。

そこで考えたのが「背番号のデジタル化(アナログ方式)」だ。

プレイヤー1人につき、デジタル数字を3桁分作成できるゼッケンと、数字を作るための黒いビニールテープを16本用意した。
このテープを自由に使い、上の画像のように自分で数字を作ってもらう。
またこのテープはプレイヤーのライフポイントを兼ねており、密告されるごとに4本のテープを失う。
密告され牢獄に戻るたびに残ったテープで数字を作り直し、再スタートする。
これによってプレイヤーは何度か数字を更新しながら復活できるようになっていた。

また、このテープ本数によるライフ制と数字を自作するというシステムは、次の要素にも麺とスープのように絡み合う。(旨い)

得点方式とボーナスとミッション

今回の密告中では過去2回と違い、事前のルール説明でほとんどを説明した。
最も得点した人が勝利。得点方法は下記の通り。

密告を成功するたびに 1点
4度密告を成功するたびに 1点
ゲーム終了時のテープ残り枚数10枚につき 1点

見てお分かり頂ける通り、密告をするほど高得点だ。
積極的に密告に臨めば多く点数を稼ぐことができるがライフを失いやすくなる。
プレイヤーによってどのくらい積極的に動き回るべきか判断が分かれる。

これを基本とし、下のボーナスがあった。

(個人戦)移動中の王の使者を見つけテープを4枚支払うごとに 1点
(チーム戦)逃げる王の使者の背番号を密告する チームメンバー全員に1点

得点の差が近いプレイヤー同士がこれをうまく利用し合えば、逆転も可能なボーナスだが、これだけで上位に入るのは難しい。
やはり積極的に密告をすることが重要なゲームだった。

詳しいボーナスは下の通りだ。

ゾンビ動物を探せ(個人戦)

会場内に3匹の動物を模した絵が設置されていた。ゾンビ象、ゾンビ馬、ゾンビ牛の3匹。
これらを見つけることで、動物の身体に使われているテープを4本得ることができた。
無傷で入手するとテープは20枚になり、ボーナスが1点増える仕組みだ。
着想は完全にスティール・ボール・ランのゾンビ馬。

また、早期にこれを発見したプレイヤーはハニースポットとしても利用できるかなと考えていたが、話を聞く限り今回はそのような使い方はされなかった様子。

元来は「蜜(の詰まった)壷」の意味で、何らかの有益そうな情報や資源がありそうな場所を用意して、それにつられた者を観察したり、肝心な部分で被害を出さないために目をそらせたり、コンピュータ・フォレンジックスを行うための証拠を集めたりする、一種のおとり手法に使われる。 手法そのものをハニーポットと呼ぶこともある。

ちなみに、ゾンビ馬は常に王の使者の座る席の背もたれに見切れていたが、見つけたのは一人だった。
灯台下暗しである。

アンリミテッドカードを入手せよ(個人戦)

園内に散りばめられた黄色いカード。これを所持していると数字を変更するときにカードに描かれているアルファベットが使えるようになる。
さらにテープも4枚増える強力なアイテム。
他プレイヤーが「114」とか「514」とか数字を作る中で「F91」などが作れるのだ。

なんとこのカードを一人で4枚集めたプレイヤーがいて、一時その背番号が「LCJ」になるなどした。
(案外簡単に密告されてしまっていたが……。)

ちなみに、「H」のカードは常に王の使者の膝の横に置いてあり丸見えだったのだが……。
見つけたのは上のプレイヤーだった。素晴らしい観察眼だ。

テープを取引せよ(個人戦)
王の使者が1度だけ会場内を散策した。
その時に、所持したテープを4枚単位でポイントに交換できる。ゲーム終了時まで残しておくよりも250%の点数効率となる。
上のプレイヤーはこのボーナスを利用し、20枚のテープを5点に変換。
実際は密告数が少なく最下位を争っていたのだが、6位に食い込んだ。
チームメンバーと合流せよ(チーム戦)
密告中はゲーム開始地点が他プレイヤーと同じでは成り立たない。
そのためゲーム開始時には会場内の好きな地点へ各々散ってもらった。
チーム戦はこれを利用して面白いことを考えた。

なんと、ゲーム開始直前まで自分のチームが誰なのかがわからないのだ。

ゲームスタートの合図と同時に、メンバー割りが全体共通のグループに届く。
そこからメンバー同士が合流した時点でチーム用のグループを作成することができるというルールだ。
合流することによる得点ボーナスはないが、一緒に行動できることと連絡の取りやすさというメリットを得られる。

いつまでも合流できない場合は、全体チャットで他プレイヤーに筒抜けのやり取りをするか、ベンノスケ王国コールセンターに電話をして他プレイヤーに伝言をするシステムを利用することになった。
この電報システムもなかなか面白いアイディアで、密告の代わりに王の使者へ電話すると、他のメンバーに王の使者経由で伝言できるというもの。
連絡の速度を取るか隠密性を取るか、全体チャットにブラフをかけるか、などなど細かな戦略が生まれることになった。

逃げる王の使者を捕えよ(チーム戦)
ゲーム中に何度か、王の使者がゼッケンをつけて逃げ回るイベントが発生した。
王の使者は2メートル以上プレイヤーに近づくことができず、3人で囲めば動けなくなるというルールで逃走していた。
この王の使者の背番号を密告することができると、チームメンバー全員に1点が与えられる。チームは3人編成だったので実質3倍の得点だ。
しかし簡単ではない。なぜならその背中の番号は“QRコード”だったからだ。
姿を見つけたと勢いよく飛び出してしまうと迂闊さを後悔することになる。

デジタル数字によるナンバー&ライフ制によって追加要素も充実し、イベントに参加した人たちには十分楽しんでいただけたのではないかなと思う。

おまけ程度の謎解き

前回、前々回と謎解き要素を加えたイベントであった。
しかし今回は、デジタル数字のアイディア一本で十分と判断し、ゲーム中に謎解きを用意しなかった。
謎解きや写真ミッションなどのプラス要素がなくともプレイヤーが動くと判断したためだ。

だが、せっかくなので些細な謎解きを用意した。
それは、最後の最後に「裏切りの団長くぅ」につくか「傲慢なる王ベンノスケ」につくかの二択を迫られるというもの。
この二択自体はただの多数決で、怪盗くぅを支持するものが過半数を超えれば怪盗団の勝ち。そうでなければベンノスケ王の勝ちというものだった。

が、ここにこっそり申し訳程度の謎解きがあった。

支持をしない団員として数えられたのは、潜入中・逃走中に参加したが密告中には残念ながら参加できなかった団員たちも含む。
よって、ベンノスケ王が多く票を集め、怪盗くぅの一団は全員斬首刑という末路を辿った。
ほとんど謎解きとしては成立していないが、申し訳程度のおまけということで許してほしい。

おわりに

前の記事や当日にもお伝えしたが、自分がこの逃走中に企画として携わるのはこれで最後とすることにした。
元々この逃走中は、いろんな人が運営を受け継ぎながら数年続いているイベント。
一昨年に前運営が引退したことで、くぅちゃんが自分の意思で受け継いだものだった。
しかし、同意の上ではあるが今年はほとんどの部分を自分が考案することとなった。

自分としてはその他にも企画や発表の場を設けることもできるし、なによりくぅちゃんが自身で受け継いだもの。
今年を経て、くぅちゃん自身にもきっとやりたいことがいろいろと生まれていると思うので、来年はそれを楽しみにしていてほしい。

老婆心ながら一つ、自分が引退することで懸念されることがある……。
それは“人手”だ。
運営は3人はほしい。2人だと大忙しだしやりたいこともやれない場合がある。
走るのはあんまり得意じゃないけど楽しそうだなぁ、なんて思っている人は、ぜひ来年くぅちゃんを手伝ってあげてほしい。

なお、今回の密告中のデジタル数字システムは大変お気に入りのようだったので、このシステムはくぅちゃんに継承済みだ。
もしこの記事を読んでいる人がどこかで密告中を開催することがあった際もぜひ使ってみてほしい。
そのくらい自分の中ではクリティカルなアイディアだ。
※先駆者がいるかもしれないが(笑)

最後に下のアンケートに回答いただけると嬉しい。
自分の今後にも大変参考になるし、きっと来年のくぅちゃんの助けとなるだろう。

最後まで読んでくれてありがとう。
後は、ささやかな並走中のストーリーをどうぞお楽しみあれ。

ストーリー

潜入中にて、そしてその背景
怪盗くぅの一団は、ベンノスケ王が治める独裁国家ベンノスケ王国に潜入した。
この国はベンノスケ王が金に物を言わせて多くのお宝をかき集めており、それを奪うのが目的だ。
怪盗くぅの一団のメンバーは王国に潜入し、お宝までのルートを確保し頂戴するミッションを与えられた。

しかし、ミッションは失敗した。
くぅ団長が裏切り、ベンノスケ王と手を組んだのだ。
潜入したプレイヤーは全員が投獄。くぅ団長は行方知れず。
遠隔でサポートしていた副団長らいだけが逃げ遂せることになった。

くぅ団長が裏切った理由は「メンバーを救うため」であった。
ターゲットのお宝の一つ「不死の聖杯」は、触れた者をウィルスに感染させ、徐々に不死身のゾンビに変貌させるものだった。

それを知らされた怪盗くぅは、ウィルスの抑制を条件にあるお宝を見つけ出し王に献上することを誓い旅立ったのだった。
そしてそのお宝は、ウィルスを取り除く不思議な力を持っていた。

逃走中にて、そしてその背景
団員たちは牢獄生活を続ける中、突然1人のハンターによって牢から解放される。
そのハンターはらい副団長が送り込んだスパイであった。

スパイは、王が団員を解放しハンターに追いかけ回させるという下卑た道楽を行うつもりなのを知り利用した。
これにより、牢から出たプレイヤーたちは副団長らいのサポートを受けながら王国からの脱出を謀ることになる。

しかし、時折暴徒と化すプレイヤーが現れた。ウィルスによるゾンビ化症状だった。
牢獄という陽の光が当たらず、池の側という湿度の高い環境がウィルスを活性化させた。
これは一定時間日光に当たることで沈静化し理性を取り戻す。王がプレイヤーを解放した理由はこれであった。

しかし、副団長らいの手引きによって、プレイヤーたちはウィルス感染を治療しないまま逃走に成功してしまうことになる。
王国から去ってしまったプレイヤーの末路とは……。

密告中にて、そしてその背景
見事ハンターの追跡をかわし逃走した者の内、くぅ団長を信じて王国に留まる者たちがいた。
その者の前に現れる王の使者。使者は告げる。
「かつての仲間を見つけ出し、売り渡せ。そうすれば怪盗くぅの裏切りの真実も見えてくるだろう。」
裏切りに裏切りを重ねた哀しい戦いが始まった。

その中には怪盗くぅの姿もあった。くぅは見事ゾンビウィルスを治療するためのお宝「ゾンビマジックリン」を手にし戻ってきたのだった。
しかし、待っていたのは自分の部下たちの頑張りによって仲間が散り散りになってしまったという現実だった。
怪盗くぅは今一度仲間を一つに集めるため、ベンノスケ王に頼み、使者を使って仲間同士を見つけ出させることを提案したのだった。

無事、王国に残る全員を見つけ出すことができた怪盗くぅ。
しかし、再開の喜びも束の間に投獄されてしまう。
だが、ここにいる多くの仲間たちがもう一度自分を信じ協力してくれるなら今度こそ真の脱出ができるはずだ。
怪盗くぅは自分を支持する仲間を連れ、牢獄からの脱出を試みた。

しかし、目の前に現れたのは、副団長らいやかつての仲間の面影を残すゾンビたち。
彼らはウィルスによってベンノスケ王の手駒ゾンビと化していた。
必死に応戦するも僅かに戦力が足りず、怪盗くぅの一団は牢獄へ逆戻り。

翌日、全員が不法入国と窃盗の咎で処刑されてしまうのだった……。

おしまい。