ベンノスケです。
タイトルの通り、2020年12月はコロナウィルスが三度目の猛威を振るっていて、多くの人が外出を自粛。
ボードゲームスペースも店舗型ビジネスとして大打撃を受けており、Twitterのタイムラインには閉店のお知らせが散見されます。
我らがボードゲームカフェ「ゆこる」にはこれを乗り切ってもらいたい。
そのために知恵を搾り、一緒にwithコロナからafterコロナへと駒を進めたいという想いです。
そしてこの記事は、これを読み私と想いを近しくするゆこるユーザーの皆さんへの投げ掛けです。
ゆこるユーザーの普段の活躍の場が、ゆこるとは全く異なるからこそ生まれるアイディアを集め、小さな工夫を大きな発明にしたい。それこそがhack。
つまり『ゆこるハック』と命名するイベントの開催について執筆することにします。
なお、この記事はゆこる店長きむち。さんに了承を得て執筆しています。
ただし監修はしてもらっていません。
どうしてゆこるハックが必要なのか
ゆこるには、ビジネスを立て直すプロフェッショナルが居ないからです。
人類が経験したことのないこの未曽有のパンデミックを乗り越えるためには、マット・リーコックのPANDEMICを遊んだだけでは残念ながら不足です。
PANDEMICだって、作戦エキスパートや衛生兵、科学者などの7つのプロフェッショナルな役割を持って初めて人類を救えるかどうかを競います。
ゆこるをコロナパンデミックから救うためには、その道のプロフェッショナルが必要ということをマット・リーコックが教えてくれています。
傾いた経営を立て直すプロフェッショナルといえば経営コンサルタントが思い浮かびますが、ゆこるにはその経歴を持つ人物はいません。
加えて、経営コンサルタントにとってもパンデミックにおける店舗型ビジネスの救済はイレギュラーケース。
日本全体でどうやってwithコロナを生き残るのかを模索しているフェーズでは、経営コンサルタントがいれば大丈夫と言い切ることもできません。
経営が回っていない以上は、ゆこる存続のタイムリミットもあります。
正解がわからない事態を速やかに打開するために、手数を増やすことがなにより重要です。
そこでゆこるユーザーの出番です。
異なる「シーン」を考えられる「脳」を増やすことが、速やかな打ち手の量産に直結します。
集まるべきプロフェッショナルと導き出したいアクション
「ゆこるユーザーよ、ゆこる救済のために集え!」と募集をかけたとしても、目的やその人物に求めるスキル、報酬が明確になっていないと参加のハードルも高いですね。
ひとつずつ明確にしていきます。
まずは目的をはっきりさせましょう。目的が定まればあとは自ずと具体的になります。
結論としては、誰にだって参加してほしい想いです。
以下を読み進めれば、それが理解できると思います。
集まる目的
・ゆこるの存続を助けるアクションを量産すること
アクションを考え出すまでが目的です。実行は次のスコープでしょう。
アクションの数に上限はありません。コロナ禍がいつ収束するかわからないからです。
考えたアクションが無駄になってしまうことより、足りなくなってしまうことを避けるべきです。
やりたいアクションが多すぎて手番が足りないというのは、ボードゲーマーにとって永遠に消えないジレンマです。受け入れてください。
求めるスキル
・自分のスキルがゆこる救済には活かせないと決めつけていない人
目的達成のために、ゆこるユーザーのどんなスキルが役に立つかはわかりません。
必要以上に門戸を狭めるのは、目的に即しません。あらゆる分野から自由な発想、吸収と転換が必要です。
とはいえ、ビジネスに繋がる発想を得なければいけませんので、自分のスキルを役立てることはできないと確信している場合は、残念ながらその通りになってしまうでしょう。
例えば私の浅い知識では、第一次産業をどうやってゆこるの救済に活かすのか思い浮かびもしませんが、それに深く携わる人の知識と経験と、異なるフィールドで活躍する人の知識と経験とを組み合わせることで、アイディアに繋がる可能性は存分にあります。
小さな工夫から大きな発明に、です。
それに、ボードゲーマーはだいたい麦を育てた経験があるでしょうから、第一次産業からアイディアを生み出すことは得意なはずです。
与えられる報酬
・ゆこるの存続
・名誉
・達成感
ゆこるの存続こそ最大の報酬でしょう。ゆこるが無くなってしまうと、ボードゲームでのコミュニケーションが激減します。
残る報酬は、普段ボードゲームに勝利して得るものと同じです。
そこに不満などあるわけがありません。これが不満ならなぜボードゲームをしているのか、問いたださなくてはいけなくなってしまいます。
ゆこる発のNew Normal(新たな当たり前)を生み出すブレインストーミング
ここまでで「誰に」「なにを」「どうしてほしい」かを明確にできました。
次はアイディアを生み出していくフェーズです。
アイディアを生み出すため、ブレインストーミングがいいでしょう。
今回のブレインストーミングは3つのフェーズで行っていきましょう。
①現状の把握と深掘り
②アイディア出し
③アクションプランの決定
この記事では、①を進め、②を少しばかり提示して終わりにしたいと思います。
ちなみにここからは、数字やグラフがたくさん登場します。
文章を読んでもらえればグラフを見ずとも内容を理解できるようにしておくので、苦手な方は読み飛ばしてください。
ただしきむち。さん。
あなたはマストフォローです。
①現状の把握と深掘り
ゆこるにおける現状は、顧客が外出を自粛しているため来店・売上の獲得ができないという理解でいいでしょう。
これ以上はいまは想像しかできませんので、ここではコロナウィルスによって変化した人々の思考と行動、市況について把握と深掘りを行うことにします。
まずは、コロナ新規感染者判明数の推移と人々の不安について見ていきましょう。
(Source:インテージ調べ)
4月度に緊急事態宣言が発令されてから、人々のコロナウィルスに対する不安度と感染を避けようとする意思は感染者数の増減と密接です。
感染者数が増えれば不安度が上がり、減れば下がるといった関係です。
感染者数のピークは7月、11月と更新しているにも関わらず、不安度のピークは4月となっていることから、緊急事態宣言の影響の大きさが読み取れます。
一方で節約志向は横ばいのままで、感染者数が減っても金銭に対する不安度は減少しません。
withコロナのフェーズではユーザーの購買意欲は継続して低下していると考えてよさそうです。
人々が支出を抑える傾向にある中で、売上を獲得するためのアイディアを得るには、コロナ禍でも成長しているジャンルに目を向ける必要があります。
(Source:三井住友カード)
コロナの感染者数が増え始めてから緊急事態宣言終了後も、Eコマース(ネット通販)の勢いが衰えないことがうかがえます。リアル店舗の需要が戻った後の減少も見られません。
コロナによって人々の購買行動の場がインターネットに移り変わりつつあることがよくわかります。これこそがNew Normalの一つともいえるでしょう。
(Source:三井住友カード)
特にアパレル、家電、インテリアなどのジャンルがEコマースで大きく成長しています。
インテリアは2020年1月と比べると3倍以上の需要が生まれています。
多くの人が家の中で過ごす時間が増えたことにより、居住空間を快適にしようという需要が大きく成長したと考えられます。
つまりwithコロナにおいては「人と直接会わず感染リスクの少ないデジタルチャネル」で「生活の時間が長い家の中を充実させるもの」に需要が集まりやすいということになりますね。
では、ボードゲームはどうでしょうか。
トレンドを見ていきましょう。
4月にスパイクしているのがわかります。ボードゲームもインテリアや家電と同じく家の中を快適にする需要を持っていそうです。
しかし緊急事態宣言解除後は需要が戻ってしまっています。節約志向の高さと合わせて考えると、嗜好品であるためか成長しているジャンルに比べると優先順位が低く、一過性の需要であったと言えます。
まとめると、コロナ禍の人々の行動や市況を分析した結果、次に基づいたアイディアは成功率が高い可能性があることがわかりました。
・デジタルチャネルを活用したもの
・ステイホームの質を高めるもの
もう少し原点にも目を向けると、次も含まれますね。
・感染リスクが低いもの
・安価なもの
あくまでもブレインストーミングのベクトルを揃えるための共通認識であり、これが唯一の正解ではなく、チャンスはいろんなところにあるでしょう。
開拓地を都市化していなくても、発展カードで1位が取れたりするのと同じようなものですね。世の中のことはだいたいカタンから学べます。
②アイディア出し
チャンスはどこにあるかわからないとはいえ、せっかく確度の高そうな分析ができたので、まずはそれに基づいたアイディア出しをしていきたいと思います。
「デジタルチャネル」×「ステイホーム」×「ゆこる」から連想すれば質のいいアイディアが生まれそうです。
別のものを掛け合わせても構いません。
最初に確認した目的に即しているかを意識しましょう。
ベンノスケからは、次を提案しておきたいと思います。
・ゆこるアプリ
電子決済の導入で感染リスクを軽減
アプリユーザーインセンティブでリピート率を改善
・YouTubeチャンネル開設
ステイホームでのユーザータッチポイントの強化
来店以外の収益獲得
・店内LIVE配信
新規顧客の開拓
店内の混雑率開示により感染リスクを軽減
・オーダーメイド木駒
来店以外の収益獲得
残念ながらベンノスケだけではNew Normalを生み出すまでには辿り着けそうにありません。
やはりゆこるユーザーたちの力が必要なようです。
終わりに
この記事のきっかけは、先日ゆこるの副店長ヒデと互いの近況を話すタイミングがあって思い浮かんだことでした。
それなりの時間を、ゆこるについて冗談のようなアイディアや、現実の課題についてよく話しました。
コロナ禍になくとも、課題はたくさんあるものです。
課題とは、理想と現実のギャップです。
世にボードゲームやボードゲーマーが居続ける限り、それをビジネスとする限り、課題はなくならないでしょう。
書いているうちにものすごくリアルになってきて、不安になってきました。
このイベントは空想のまま終わりたい。
なぜなら、ベンノスケはこれを居酒屋でやりたいのです。
居酒屋こそ最強のブレスト環境だからです。
つまり、いまではない。いや、いまなのだけど。
これも理想と現実のギャップですね。
感染リスクなく居酒屋でゆこるについてああだこうだと話す方法を考えておきます。
反響が大きかったら、アグリコラの如く重い腰を上げることにしたいと思います。
開催しなくてもヒデはYouTuberになってください。
けむさんとコンビを組むといいと思いますよ。